【講座レポート】「仙臺農塾 仙台の冬限定・せりのよもやま話」

· レポート・寄稿文

2024年2月16日(金)、びすた〜り榴ヶ岡にて、大人のための食育講座「仙臺農塾 仙台の冬限定・せりのよもやま話」を開催しました。

今回の仙臺農塾は、講師がコーディネートした飲食店にて、地元食材を使った料理を味わいながら「食のサステナビリティ」について学べる講座です。誰もがとっつきやすい「食」という観点から、気候変動や生物多様性などの環境課題について考え、行動することを呼びかけるために開催されました。

<開催概要>
●日時:2024年2月16日(金) 18:30~20:00
●場所:びすた〜り榴ヶ岡(仙台市宮城野区榴ヶ岡5番地 みやぎNPOプラザ1階)
●講師:三浦隆弘氏(三浦農園/MELON理事)
●参加者:21名

はじめに三浦農園のせり栽培の様子や田んぼの生態系の動画を視聴しながら、三浦さんの「せりのよもやま話」が始まりました。

「環境に配慮してせりを作ることによって、田んぼがハクセキレイなどの鳥のえさ場になったり、田んぼの中の生物が有機物を蓄積してくれるおかげで、美味しいせりができる。」と語る三浦さん。

農業が自然と調和していくことで、自然も農業に応えてくれて、味良し見目好し体に良し、かつ持続可能な作物が採れるのだなぁと思いました。

動画を視聴した後は、仙台せり鍋のムーブメントのお話もしていただきました。「美味いものが食べたければその地域に来てほしい」という考えをモットーに、首都圏への市場流通はせず、仙台市域を中心にせりを出荷する三浦さん。2009年ごろから本格化したせり鍋ムーブメントは、俳優やアーティストによって紹介されたこともあり、老若男女に親しまれる仙台の名物として定着していったそうです。

「今まで仙台の名物で地場産の材料を使用したものはなかったので、せり鍋は材料も地元で採れる初の郷土料理となりました。このように地域で採れたものをその場で展開することは、各地域のローカルプライドに繋がります。仙台せりのような資源は各地域にあると思うので、それらを活用してそれぞれの場所での名産をつくっていってほしいです。」と三浦さんは語ります。

お話のあとはいよいよ三浦さんのせりを使ったコース料理のお時間です。前日に収穫したせりをふんだんに使った品々は、どれも素敵でした。作られた背景を知り、三浦さんの想いを聞いた後で頂いたせりは非常に美味しかったです。このように地元の農産物を地域で楽しみ、そのような食材を介して、人と人との新たな繋がりが生まれることに、大きな希望を感じました。

有機栽培で作ったせりを介して、有機的なコミュニティが創られた今回の仙臺農塾でした。

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参加者の声(アンケートより一部抜粋)

・その土地の生態系を豊かにして、そこに育つものを大事に育てるという考えが印象に残りました。
・野菜がどのような環境で育ったのか、作り手などの背景も意識したいと思いました。
・地元産の野菜をはじめ、海のもの、山のものをいただくことを続けていきたい。
・講話中のビデオの中のイトミミズのフンがすごい!
・消費者の我々にも「“セリ”を作ってみてください」という三浦さんの呼びかけにハッとさせられました。当事者とはなんだろう?自分で壁を作っているのかも。
・セリは単体(鍋やおせち)で食べる野菜と思っていましたが、リゾット、オムレツ、ポタージュ…と料理の中にしのばせることで、色々な味や風味が感じられて、愉しいと思いました。